
「加仁湯」の息子・奥鬼怒岩魚保存会・第五代会長 小池 久男
50有余年前、学生時代に加仁湯に帰省すると、いつも囲炉裏に座して「お帰り」と言って酔いしれていたのが青柳先生でした。「餌取り3年、魚籠持ち3年」という岩魚釣り古来の金言を実践したのも先生で、師匠である私の親父の背中にピタリと寄り添って6年間やり通したのです。1960年代の中頃奥鬼怒地方に大きな台風が来襲して、岩魚の棲息環境に壊滅的な打撃を与えましたが、先生は地元の有志や釣り仲間を誘い「鬼怒岩魚保存会」を立ち上げ、岩魚の再生の為に20数年の歳月をかけて保護活動を行いました。今回、私は先生の長年に渡る足跡を引き継ぎ保存会の第五代会長を拝命することとなりました。先生とは写真と岩魚だけの付き合いでしたが、ある時から、20年間の奥様に対する献身的な看護を知り、その素晴らしい人間性にも敬意を表しています。さらに、80歳過ぎても今回の青柳陽一写真学校の開設に意欲を燃やし続ける気力に、精一杯のエールを送らせていただきます。